マンションの「耐震」「制震」「免震」 構造の違いを解説
TOP/免震構造のパークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン(分譲済み)外観完成予想CG
免震構造の「パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー」外観完成予想CG(分譲済み)
耐震構造の特徴
・壁や柱を強化したり、補強材を入れたりする事で建物自体の堅さと強さで地震に対抗。
・コストに応じて耐震箇所を設定できるので予算を抑えることができる。
・建物の揺れは他の構造に比べて大きい。
・地震の規模が大きくなると、柱、梁、壁などが損傷する恐れも。
制震構造の特徴
・建物内に配置した制震部材(ダンパーなど、振動を軽減するもの)で地震のエネルギーを吸収。
・耐震構造に比べて地震時の揺れを抑えられる。
・地震の規模が大きくなっても、柱、梁、壁の損傷を抑えられる。
免震構造の特徴
・建物と地面のあいだに免震部材(積層ゴムやダンパー)を設置する事で、建物が受ける地震のエネルギーを吸収し、地面から建物を絶縁。
・耐震、制震と比べて、建物の揺れをもっとも抑えられるので、上層階の揺れが大きいビルやタワーマンションで採用されやすい。
・コストが比較的高いので、大規模な住宅で採用される傾向が。
・建物内部の揺れが少ないので、落下物などによる二次災害が起こりにくい。
構造の違いで大きく変わるのが建物の揺れ方。どのように揺れるのかイラストを参考にみてみましょう。
構造別、建物の揺れ方
耐震構造の揺れ
建物が丈夫でも、地震のエネルギーが建物内部に伝わり、2階、3階と階が上がるほど揺れの幅が大きくなります。低層住宅では揺れに対する影響は少ないですが、何十階建のタワーマンションでは大きく揺れてしまう可能性もあります。
制震構造の揺れ
耐震構造の揺れに対して、上の階に行くほど揺れが抑えられます。
免震構造の揺れ
地面の揺れが直接伝わらないため、建物の揺れは地面の揺れよりも小さくなります。建物内部の揺れも軽減されて、体感する揺れは実際の3分の1から5分の1程度に感じることもあるようです。
どれも、建物自体の損壊を防ぐ点では優れていますが、免震構造は建物内部の揺れを軽減することができるので、安全面でほかの2つに比べて一歩進んでいます。2012年に完成した東京駅丸の内駅舎改修工事でも、免震構造が採用されて注目されました。
リニューアルの際、免震構造を用いた東京駅丸の内駅舎
「耐震」「制震」「免震」の特徴をお伝えしてきましたが、近年ではそれぞれのメリットを併用する方法も増えています。
コストが高い免震構造を取り入れにくい一般住宅には「耐震」と「制震」、安全面を第一に考えた最新のタワーマンションでは「免震」と「制震」の併用といったように、さまざまな取り組みがされているようです。
「免震」と「制震」を併用した「パークコート赤坂檜町 ザ タワー」外観CG(分譲済み)
まだまだ発展しそうな建物の地震対策ですが、先ずはこの3つの特徴を理解した上で、自分がいま住んでいるマンションやこれから購入を検討している新築マンションなどがどのような構造でできているのかを見てみるといいでしょう。