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くらしのアイデア<家のメンテナンス篇>アイデア12
早めに知っておきたい すまいのメンテナンス箇所とその費用
念願のマイホーム購入。新築はピカピカで、設備も最新、快適ですが、いつまでも快適に暮らすために、すまいには定期的なメンテナンスが必要なことはご存知でしょうか。
一般的に家の曲がり角は10年目と言われています。ではどんな部分の点検が必要か、費用はどれくらいかかるのかみてみましょう。
3ヵ月ごとにこまめなチェックが必要な場所とは

今回は住宅産業協会が、延べ145m2の2階建住宅を基準に算出しているメンテナンス費用の目安を元に、マンション居住者の方でも当てはまる部位をピックアップしてご紹介していきます。

ドアや窓周りのメンテナンス

例えば、玄関ドアのメンテナンス。10年目に推奨されているのはドアの金物の作動点検や、ドアクローザーの交換です。ドアクローザーは開けたドア(開き戸)が急にバタンと閉じないように自動的に速度調整をして閉める装置で、通常はドアの上部に取り付けられています。この装置の油が漏れていたり調整弁の締め具合で、閉まるスピードが極端に速くなってしまう事も。小さな子どもの場合、指を挟んで大けがをしてしまうなど、思わぬ大きな事故に繋がる可能性があります。3ヵ月に1度はチェックしておきましょう。ドアが閉まる速度が以前より速すぎたり遅すぎると感じる時は速度調節弁(本体にあるネジの部分)を回して調整します。もし10年目の点検で油漏れを起こしていたり、交換が必要な場合は、0.5〜3万円の費用がかかります。(油漏れは装置の経年劣化によるものなので、未然に防ぐのは難しいですが、早めに対処することで事故を防ぐことができます)

また、窓周辺のメンテナンスでは、アルミサッシの作動点検や戸車、クレセント交換があります。戸車とはサッシが潤滑に動くように枠の下にとり付けられている車輪のことで、クレセントとは引き違い窓などに付けられる施錠金具のことです。ドアと同じように、閉めにくくなった窓は強く引きすぎた時に指を挟んでしまうなどの事故に繋がります。最低1ヵ月に1度はレールの掃除をしながら、窓周りの点検を行いましょう。戸車の滑りを良くするにはシリコンスプレーを塗布します。クレセントの不具合は防犯面でも心配。少しでも不具合を感じたら早めに業者に見てもらうなど、対処してください。

フローリング、クロス、畳のメンテナンス

フローリングは定期的なワックスがけなど手入れをこまめにすれば、美しく長持ちさせることができます。ですがそれでもやはり10年ほど経つと小さな傷やヒビが入り、そこへ汚れやホコリが溜まったり、湿気を吸って表面の剥がれが起こることも。クロスや畳も同様に、日焼けや湿気、長年の汚れが蓄積していくため、10年後がプロに依頼した方が良い補修の目安になっています。

ドアや窓周りのメンテナンス

壁紙クロスやフローリングは、補修を行う広さによって費用も変わりますが、例えば6畳の和室なら張り替えに12万円ほど費用がかかります。

室内の設備はまず5年目が一区切り

キッチンや洗面台、トイレ……それぞれの場所で使っている設備は物によっては5年で交換時期をむかえるものも。家族の健康維持、快適に暮らすために必要な処置をしっかり把握しておきたいですね。

キッチン、洗面キャビネットの部品点検・交換は1~5万円

画像/ファインコート守谷ビスタシティ(分譲済み)

キッチンにはレンジフードやガス・IHコンロ、食洗機、浄水器などさまざまな設備があります。毎日使う場所なので、日々お手入れしながら点検ができますね。レンジフードのフィルター交換など、細かな消耗品はできるだけ使用目安を守って交換しましょう。忘れがちなのが、浄水器のカートリッジ交換。メーカーによりますが、交換目安は約4ヵ月〜1年、費用(カートリッジ価格)は約4000円〜15000円です。5年目にキッチンと洗面台で部品の点検や交換を行った場合は総額で2〜10万円ほど。10年目に本体を交換するとなると35〜150万円もの費用がかかります。

浴室、トイレ、給湯器等は部品点検・交換に1~5万円

日々の疲れを癒してくれるお風呂、家族みんなが使う温水便座トイレなどは健康維持に大切な設備。掃除はもちろん、機能の維持のための点検もこまめに行いましょう。トイレは水の流れが悪かったり、水の量が少なくなっていないかも重要なチェックポイントです(ストレーナーと呼ばれるフィルター部分にゴミがつまっている可能性あり)。

浴室は毎日の掃除で、換気扇の調子やドアの開け閉め、シャワーの具合などを確認。さらにカビが増殖しやすい場所ができていないか点検します。浴室では、5〜10年位経過するとシーリング材(またはコーキング)が痩せて浴槽と壁に隙間ができることがあります。シーリング材のヒビやはがれなどを放置しておくと漏水の原因になったり、すぐに黒カビが繁殖するので気を付けましょう。カビ取り剤で落とすことは可能ですが、カビがシーリング内に深く根を張るとなかなか落ちず、一時的に表面がきれいになってもまた発生を繰り返すことに。

【やってみよう】シーリング点検・補修は自分でもできる

シーリング材やドア点検、補修には5~10万ほどの費用がかかると言われていますが、シーリングは自分で補修(打ち替え)できます。“浴室用のシーリング打ち替え材料”というものがホームセンターに売っているので、やってみましょう。

準備するもの
·防カビ剤入りシリコーン系充てん剤
·マスキングテープ
·ヘラ
·絞り器
·カッターナイフ
(カッターナイフ以外のものがセットになった商品も販売されています)

1、古いコーキングにカッターナイフなどで切れ目を入れ、引っ張って完全にはがし、施工部分をきれいにします。濡れているとコーキング材がうまく密着しないことがあるので、充てんする部分をよく乾かします。急ぐ場合はドライヤーなどを使ってもいいですね。

2、充てんする部分を挟むようにマスキングテープを貼りつけます。マスキングテープの貼り方で仕上がりが違ってきます。テープはまっすぐていねいに貼りましょう。

3、もこもこと盛り上がるくらいコーキング材を充てんする部分に注入します。

4、ヘラを使ってコーキング材をならします。途中でやり直すと仕上がりが悪くなるので一気に。うまくならせなかった場合は始めの部分に戻ってならし直してくださいね。

5、コーキング材が乾く前にマスキングテープをはがします。マスキングテープは、持ちやすい筒状の紙などに巻き付けながらはがすとテープに付いたコーキング材が壁や衣類に付きにくく、そのまま捨てやすいので便利です。

6、24時間乾かしたら完成。上は打ち替え前、下は打ち替え後です。 以前はコーキングが痩せて隙間ができていましたが、きれいに補修されました。

いかがだったでしょうか。ちょっとした部品の交換や補修だけでも、家の中全部をまとめると、かなりお金がかかることがわかりました。一度にまとまって補修や交換時期が重ならないように、日々の点検をこまめに行っておきたいですね。

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