レイアウトで変わる ホームシアターを10倍楽しむスピーカー配置
テレビは左右2つのスピーカーで、横方向の音の広がりを再現します。一方、ホームシアターシステムは、前中央、前左右、後ろ左右の合計5 つのスピーカーでリスナーを取り囲む「サラウンド」という方式。360度音で包みこまれるようなイメージで音の広がりを体感できます。
製作者のねらった立体感や臨場感を再現するためには、音源を加工、編集した環境と同じスピーカーの配置にすることが理想です。現在、ブルーレイやDVD製作時の基準になっている日本オーディオ協会おすすめの配置をみてみましょう。
※イラスト引用元:一般社団法人 日本オーディオ協会 ホームページ「豆知識」より
視聴する自分の位置を時計の中心と考えると、センタースピーカー(前中央)は12時の方向、フロントスピーカー(前左右)は1時と11時の方向に、リアスピーカー(後ろ左右)はおおよそ4時と8時の方向となります。円の半径は2.7mから3.0mが理想。家庭では十分な広さを確保できなかったり、家具が置いてあったりして再現が難しい場合がありますが、まずは基本として参考にしてみてください。
センタースピーカー(前中央)と、フロントスピーカー(前左右)は視聴する耳の高さにそろえます。リアスピーカー(後ろ左右)に明確な規定は有りませんが、耳の高さよりもお60cmほど高い位置にすると、映画鑑賞などの際に上下方向の立体感が得られます。
1. カーテンの開閉やラグの変更など
何もない部屋で手をたたくと反響してしまうように、その空間にあるもので音の伝わりかたが変化。カーテンを閉めたり、ラグマットを毛足の長いものに変えたりするだけで吸音効果が高まり、音が澄んだように聞こえます。
2. スピーカーと壁との距離に注意する
スピーカーの背面と壁との距離が短いと、音が反射して低音がふくらんでしまいます。部屋の角には置かず、背面と壁との距離を少なくとも30cm以上とるようにしましょう。
3. スピーカーを床や棚に直接置かない
スピーカーを直接棚に置くと、音を出すときに発生した振動が伝わり、ぼけた感じの音に。棚との間に「防振ゴム」や「インシュレーター(振動の吸収を目的とした装置)」をはさむと、無駄な振動をおさえて音がクリアに聞こえます。
最近のホームシアターシステムは、バータイプをはじめ、テレビの下に置ける台座タイプ、テレビ台のラックと一体化したものなどさまざま。レイアウトしなくても臨場感あふれるサラウンド再生が楽しめる「自動音声補正機能」がついたものは、気軽に楽しみたいという方におすすめです。
今回は日本オーディオ協会が推奨するレイアウトを中心にご紹介しましたが、こんな音で聴きたいという好みを大切に。スピーカーの配置や高さを少し変えるだけで音の立体感や臨場感は劇的に変わります。トライ&エラーを繰り返し、自分好みのポイントを見つけて、お家での楽しい時間をもっと充実させてください。