担当者の想いvol.6
にぎわいある街をお住まいの方と共に育てていきたい。「幕張ベイパーク」への想い

担当者のプロフィール

千葉支店 事業室 主査 茅原 敦(右)【※取材当時】
「幕張ベイパーク」ではマンションやくらしを支えるさまざまな施設の企画を担当。にぎわいある街づくりをハード面からサポートする。

千葉支店 事業室 主任 柳谷剛弘(左)【※取材当時】
「幕張ベイパーク」のエリアマネジメントを含めたソフトサービスを担当。エリアマネジメント組織の設立・運営にも尽力している。

職・住・学・遊がひとつになった首都圏最大級の街づくり「幕張ベイパーク」の街びらきが2019年春に行われました。全米一住みたい街といわれるポートランドを参考にして、にぎわいある街を醸成したいと願う二人の担当者に話を聞きました。

幕張ベイパーク中心部にある若葉3丁目公園

新たな生活価値の提案を目指して

東京駅から直通で約30分、都心を身近に感じながらも大きな海と空が広がる幕張エリアは、長い歳月をかけてにぎわいを育み、豊かなくらしを紡いできた街です。三井不動産レジデンシャルでは、約17.5ha・首都圏最大の街づくり「幕張ベイパーク」において、これまでの幕張エリアの系譜を受け継ぎながら、一層進化させた生活価値の提供を目指して検討を進めてきました。

ゼロからの街づくりにおいて参考にしたのが、全米で最も住みたい街といわれるポートランドです。豊かな自然の中にくらしに必要な機能を備えたポートランドは、健康的なワークライフバランスをかなえる街として話題を集めています。都心部とのほどよい距離感、日常に溶け込む水辺とあふれる緑など、ポートランドと幕張エリアにはいくつもの共通点があることから、ポートランドの街づくりを手がけた建築設計事務所「ZGFアーキテクツ」をプロジェクトに迎え、街ににぎわいを生み出すためのいくつもの工夫を「幕張ベイパーク」に取り入れました。

日常のお買い物に便利なショッピング施設「イオンスタイル幕張ベイパーク」

にぎわいを生むためのミクストユースの街づくり

ポートランドでは、アクティビティを結びつける建物計画や、住宅、商業施設、オフィス、教育施設等の複数の機能を採り入れた「ミクストユース」という街づくり手法が採用されています。このような工夫で昼夜間人口を平準化させ、時間を問わず活気に満ちた街を実現しています。

これらを参考に、「幕張ベイパーク」では、住宅のほか、オフィスや医療施設、商業施設、教育施設、スポーツ施設等の多用な機能を街の中に取り入れることで、多様な交流ができる街づくりを目指しました。街を歩く人々に圧迫感を与えないよう、道路際や街の中心部にある公園側には低層棟を設けたり、低層棟の下層部にはガラス面を多く採用した店舗等を配置したりすることで建物内部のにぎわいが外に見えるよう建物計画にも工夫を施しています。楽しい歩行空間を演出することで、道を歩く人々や公園で遊ぶ子供たちと建物内のアクティビティが結びつき、街全体の一体感とにぎわいを生み出します。

集いと憩いのシンボルとなる若葉3丁目公園の「ツリーデッキ」

「自分らしいリズムで働ける環境(コワーキングスペース)があり、小さなお子さんを安心して預けられる教育設備(学童施設や保育施設等)を備え、万が一の時でも安心な医療施設(クリニックモール)があり、子供と遊ぶ場所(街の中央の公園やBBQ場)にも困らず、買い物をする場所(商業施設)があるので遠くまで出かける必要性もない。くらしが街の中で完結する、さらに言えば人生で必要なものが街に揃うことで自分らしい生活を楽しめる。「幕張ベイパーク」ではそんな豊かなくらしを実現していただきたいと思っています。(茅原)」

街を育てていくための環境整備

「ポートランドでは街をつくるだけでなく、街を育てること、即ち街やくらしの価値を継続的に高めていくことも大切にしています。にぎわいを継続させ発展させていくためには、そのような「街そだて」の思想が不可欠です。そして「街そだて」を考える上で欠かせないのが運営組織です。ほかの物件のエリアマネジメントをいくつも参考にしながら「幕張ベイパーク」にフィットするものを考え、その結果生まれたのがB-Pamだったのです。」

B-Pamとは「一般社団法人幕張ベイパークエリアマネジメント」の通称で、「幕張ベイパーク」で生活するひとりひとりが主体となって取り組む「街そだて」の仕組みとなる組織です。この「幕張ベイパーク」では、そこにかかわる人すべてが主役となり、街をそだて動かすことが重要となります。

「CROSS PORT」内に掲げられているB-Pamのフラッグ

「建物や施設などのハードを提供するだけでなく、それを活かすソフト(仕組み)も重要です。この街に集う人たちの交流がにぎわいを創出する上で大切だと考え、自治会機能と商店会機能の組織を内包したB-Pamを誕生させました。この街のエリアマネジメントにおいて、何が正解なのかを見つけるまでが大変でした。また、単に組織だけが形成されても、その担い手がいなければ「街そだて」は成立しません。そこには、「街そだて」を推し進めていくコミュニティが必要です。(柳谷)」

豊かなくらしを実現するために欠かせないコミュニティを育む空間として、「幕張ベイパーク」の中心には「CROSS PORT(クロスポート)」を配しています。ここは「人とつながる」「街とつながる」空間を提供する場であり、「街の公民館のような存在」にもなっています。しかしながら、マンションの入居が始まってから、街の中ににぎわいが生まれるまでには時間がかかります。そこで、マンションの完成に先立ち、期間限定の施設として「MAKUHARI NEIHBORHOOD POD」を設けました。これは、ブリュワリー&レストランやカフェ、スタジオ、そして街に開かれた共有スペースなどを有しており、入居前からにぎわいを生み出すコミュニティの場としての役割を果たしてきました。

幕張ベイパークのコミュニティ拠点「CROSS PORT」

期間限定のコミュニティ施設「MAKUHARI NEIGHBORHOOD POD」

「この場で生まれたコミュニティが、マンション完成後にスムーズに街、そしてCROSS PORTに引き継がれたことは街にとって大きなプラスとなりました。また、この共有スペースを実際に利用する方々が、(後に設立する)B-Pamでは中心となって協力してくださいました。マンションの完成に先駆けて街のにぎわいを醸成できたことが、「街そだて」に大きく寄与しています。」

そして、二人には「街そだて」がはじまっていることを実感できたイベントがあります。複数ある街区のひとつとして2019年春から入居を開始した「幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス」。その入居を祝う街びらきイベントが、中心部にある公園で行なわれました。そのときの光景は「一生忘れることができないものだった」と茅原は語ります。

「このプロジェクトに参画することが決まったとき、目の前に広がるのは何もない広大な敷地でした。それが今では多くの人がすれ違い、毎日子供たちの笑い声が耳に届きます。この生まれたばかりの“街のにぎわい”がやがて開花し、すべての街区でにぎやかな生活のリズムが刻まれることを期待しています。」

若葉3丁目公園での交流イベントの様子

街に生活の息吹が生まれ、「幕張ベイパーク」でのくらしがはじまる光景を目の当たりにした柳谷は、思い描いていたにぎわい溢れる街づくりの実現を確信しました。

「街びらきの日以降、公園では家族揃ってレジャーシートを広げて過ごしていたり、学生が集まって談笑していたり、小学生が遊んでいる光景を当たり前のように目にします。お住まいの方々の間でコミュニティが形成され、何気ない日常の中でも、確かに街のにぎわいが生まれてきていることが実感できています。」

若葉3丁目公園での交流イベントの様子

「幕張ベイパーク」の更なる進化のために

「幕張ベイパーク」の全街区が完成するまでには長い歳月がかかる長大なプロジェクトですが、二人にとって今後取り組みたい課題はすでに見つかっています。

「フィットネス施設や医療施設の入るクリニックモールなど、今後も街ににぎわいをもたらす新たな要素が加わります。新しい施設ができることで「幕張ベイパーク」に訪れる人々も増えてくるでしょう。そんなとき、たとえば訪れた方とお住まいの方が交流できるスペースや、お互いのコミュニケーションを築くイベントなどを積極的にアプローチしていきたいと考えています。(茅原)」

「ひとつの街区が完成したので、今後はお住まいの方々のご意見を頂戴しつつにぎわいの醸成を行ないたいと思います。すでにB-Pamには、防災キャンプイベントをしたい、音楽イベントを開催したい、運動会などのスポーツイベントはどうか、ビアガーデンのイベントをしたいといった多数の声が集まっています。そのようなときこそ、商店会機能を有したB-Pamの強みを活かして「幕張ベイパーク」内の各店舗を巻き込み、住民と店舗が同じ目線に立って協働することで、新たな価値や企画が生まれるのではと考えております。」

「幕張ベイパーク」では、にぎわいに溢れ、自分らしいライフスタイルを実現できるさまざまな工夫が行なわれていました。新しいすまいとくらしの価値を創造し、街を自分たちの手で育てていきたいと想う方や自分らしくくらしたいと願う方にとっては、理想の場所のひとつといえるのではないでしょうか。

合わせて読みたい