担当者の想いvol.5

ここに住むことでくらしがもっと豊かになる。これからのシニア向けレジデンスとは

担当者のプロフィール

シニアレジデンス事業部 事業室 主査【※取材当時】
浅井直也

入社後再開発事業や分譲マンションの企画に携わった後、現在はシニア向けレジデンスの企画を担当している。

三井不動産レジデンシャルでは、シニア世代に向けてより自分らしい豊かなくらしを実現していただくためのすまい「パークウェルステイト」を新たに開発。その第一号物件「パークウェルステイト浜田山」が2019年6月に開業しました。担当の浅井に、シニア向けレジデンスで実現したい「すまいとくらし」への想いを聞きました。
シニア向けレジデンスに求められるすまいとくらし

人生100年時代と言われる昨今、平均寿命が延びるだけでなく、自立した元気なシニア(アクティブシニア)が増加し、新たなライフステージが生まれつつあります。アクティブシニアのための「豊かなくらし」の提供が重要だという考えのもと、三井不動産レジデンシャルでは、2017年にシニアレジデンス事業部を新設。それから2年の歳月を経て完成したのが「パークウェルステイト浜田山」です。

パークウェルステイト浜田山外観

一般的にシニア向け住宅には、介護を必要とする方向けの「有料老人ホーム(介護施設)」と自立した方向けの「サービス付き高齢者向け住宅」があり、設備やサービス内容が異なります。「パークウェルステイト浜田山」は後者のサービス付き高齢者向け住宅に属し、ホテルのような自立者向けサービスがあるのに加え、介護が必要になっても安心して暮らせる環境が整っています。

総戸数70戸のシニア向けレジデンスとして完成した「パークウェルステイト浜田山」は、京王井の頭線浜田山駅にほど近い閑静な住宅街にあり、格式高い構えのメインエントランスが印象的です。居室空間は、高いデザイン性とクオリティに加え、車いすの回転スペース、生活リズムセンサーやカードキーの導入による先進の見守り機能など、シニアのための設備・仕様を完備。専有部は一般住戸のほかに介護用住戸があり、常時の見守りや、ケアが必要になった際には一般住戸の賃借権を保持したまま利用できるなど、将来の不安にも対応しています。

中庭と一体的に配した迎賓空間としてのエントランスホール

アクティブシニアが快適に過ごすための創意工夫を随所に盛り込んだ「パークウェルステイト浜田山」。そこにはどのような担当者の想いが込められているのでしょうか。

パークウェルステイト浜田山に込めた想い

サービス付き高齢者向け住宅でありながら、豊かなシニアライフを過ごすための付加価値を持つ本物件。ここに住まう方には心身ともに健康で豊かなくらしを送っていただきたいと浅井は考えます。

「素晴らしい人生を過ごされてきた方にとって必要なのは、健康で安全なくらしだけではないと思っています。そこに必要なのは誇りの持てる“すまい”であり、上質な“くらし”を紡ぎ出すサービスです。外観は市中の山居をデザインコンセプトにした美しい佇まいを実現しました。茶室をイメージした風除室をくぐり抜けると、その先にはプライベートガーデン『彩の庭』と一体化したエントランスラウンジが広がり、都会の喧騒を忘れさせてくれます。壁面および天井の照明には、桜、もみじ、雪の結晶といった四季を感じる絵柄をあしらうなど、細部の意匠にもこだわりました」

「彩の庭」

「毎日の生活を彩る充実した共用施設は地下一階に集約し、日々の食事やお酒を楽しむダイニング『季饗』をはじめ、シアタールームや大浴場、資生堂美容室と提携したヘアサロン、月2回パーソナルトレーナーを招くフィットネスルームを用意しました。サービス付き高齢者向け住宅に必要な機能を満たすだけではなく、意匠に配慮した設えやくらしを豊かにするサービスによって、本当に居心地の良い“すまい”になっていることが重要です」

水・光・緑を感じる開放感あふれるダイニング「季饗」

月2回パーソナルトレーナーを招くフィットネスルーム

「パークウェルステイト浜田山」では、ホテルのようなホスピタリティと上質なサービスの提供、そして何よりも住まう方が安心して暮らせることにもこだわっています。

サービスにおいては、当社ならではのホスピタリティを追求しました。
「ご家族での食事会の用意、旅行の手配といった日常生活のサポートから、健康相談への対応、健康面に配慮した“上質な日常食”の提供など、住まう方一人ひとりに寄り添い、きめ細やかなサービスを行うべく、帝国ホテル出身の総支配人を含め3名の支配人を配置しています」

住まわれる方に上質なサービスを実感していただくたには、サービスを提供するスタッフがより健やかな環境で働くことも大切な要素の一つと考え、バックヤードにも工夫を凝らしています。スタッフのための最適な動線はもちろん、ロッカールーム、仮眠室、ミーティング室などには、三井不動産グループの各施設で用いられたアイデアを採り入れるなどグループ内のリソースを活かしています。

スタッフの働きやすさを考えたバックヤード

また、質の高い介護サービスおよび医療連携体制を構築することで、住まう方の安心と安全に配慮しています。介護は東京海上日動ベターライフサービス株式会社をパートナーとし、住まう方の要望に応じた介護が受けられます。さらに医療については順天堂医院と連携し、併設するクリニックと電子カルテを連携することで万が一の時に備えています。

「各種さまざまなサポートやサービスが互いに連携することで、“チーム浜田山”としてシームレスなソフトサービスの提供を可能にしています」

常に見守る医療&介護のトータルサポート体制

“すまい”においては住まう方の心を満たす仕上がりを目指し、“くらし”の面ではホスピタリティを追求して生まれた「パークウェルステイト浜田山」。思い浮かんださまざまなアイデアを具現化するためには、多くの時間を要したと言います。

「付加価値のあるシニア向けレジデンスはこれまで前例があまりなく、トライアンドエラーを繰り返しながら計画を進めました。そのため当初の予定を途中で変更したことは数えきれません。エントランスの意匠、共用部のクオリティ、細部の設えは手すりの形状ひとつにまでこだわり、住まう方に寄り添ったサービスやホスピタリティは何が正しいのか、将来の不安をなくし安心して暮らせるためにはどんな設備が必要なのかを、繰り返し議論しました」

上質な建物・サービスを実現することで、「ここに住まう方が積極的に年賀状を出したくなるような、誇りの持てる“すまいとくらし”にしたかった」という浅井の想いは、「パークウェルステイト浜田山」の至るところに散りばめられています。

これから実現したいこと

「パークウェルステイト浜田山は全70戸ですが、このレジデンスで培った豊かなくらしのためのノウハウを活かし、大規模物件のパークウェルステイト鴨川(総戸数473戸、2021年秋開業予定)等でも提供していきたいと思います。小規模物件の細やかな配慮を大規模物件で実現するためには、IoTやICTを駆使しながら、ゆるやかな見守りを行なうことが必要になるでしょう。たとえばシニア向けレジデンスでは24時間に1回見守りサービスを行なう必要があるのですが、セキュリティシステムに顔認証を取り入れ、見守りサービスと連携させるといった新しいテクノロジーを導入することで、見守る側と見守られる側の適度な距離感を保つことが可能になり、より快適なくらしを送れるようになると思います。そこで得られた“精神的なゆとり”や“時間的な余裕”を、今度はホスピタリティの面に活かすことで、質の高いサービスを大規模物件でも変わらずに提供していきたいと考えています」

これからも需要が高まっていくことが予想されるシニア向けレジデンス。そこに「三井のすまい」ならではの付加価値を持ち合わせた「パークウェルステイト浜田山」でどのようなくらしをしてもらいたいのか、最後に尋ねてみました。

「入居することでくらしがより豊かになった、より元気になったと思っていただければうれしいです。ハード(建物)とソフト(サービス)のどちらかが欠けても、理想のすまいとくらしは完成しません。その両面がしっかりと機能することで、住まう方たちの豊かなくらしが自然に生まれていくのだと思います」

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