くらしのイメージが広がる すまいの専門用語を図解
そこで今回は意外とたくさんある住宅の専門用語と、そこから見えてくるくらし方も含めて、分かりやすく解説します。知っておくとモデルルームに行ったときに、目を付けるポイントが変わってくるかもしれません。
住宅の間取りには、「キッチン」や「ダイニング」などおなじみの言葉もあれば、最近登場してきたさまざまな機能が詰まった新しいスペースを表す言葉も。こうした言葉の意味や役割を知っておくと、自分の望むくらしが叶うかどうか見えてくるかもしれません。まずはくらしの幅を広げてくれる「スキップフロア(ステップフロア)」「ユーティリティスペース」「アルコーブ」の3つをご紹介します。
①スキップフロア(ステップフロア)
すまいの中に“中2階”のように半階分ずらして設けた居室や空間のことで、「小上がり」や「ステップフロア」とも呼ばれます。最上階に設けて収納スペースとすることも。立体的に空間を活用することで狭い空間も有効に活用でき、動きのある間取りになるのが特徴。
スキップフロアの例(左:ファインコート横濱杉田(分譲済み)モデルハウス/右:ファインコート国立ルミナスヴィラ(分譲済み)の「ステップストレージ」)
例えば、広いリビングの一部に畳の小上がりスペースがあれば、昼はリビングとして夜は障子で仕切って寝室として使うこともできます。あるいは数段上がったスキップフロアでは、子どもが遊んだり勉強したりする“隠れ家的”なスペースと、その下の部分は“蔵”のように大きな収納スペースにする、なんてことも。限られた空間を広く使うことができるので、空間を有効に使いたい人や、収納を多くとりたいという人におすすめです。
②ユーティリティスペース
最近では洗濯やアイロンなど、さまざまな家事を行なうことができる多目的作業空間「ユーティリティスペース」の必要性が注目されるようになってきました。共働き家庭も増えて、忙しい毎日の中で少しでも家事効率をアップさせたいと思う人は多いはず。そんな人におすすめなのがこのユーティリティスペース付きのすまいです。
ユーティリティスペースの例(ファインコート栗平ステーションゲート(分譲済み))
ユーティリティスペースはキッチンや洗濯機置き場に隣接する場合が多く、家事動線を考えてできるだけ効率的に動けるよう考えられています。洗濯をしたあとすぐに室内干しができたり、取り込んでそのままアイロンをかけたり。効率よく家事ができるのでとっても便利。もちろん家事部屋としてだけでなく、家事の合間に読書したり、レシピ検索や調べものをしたりするワークスペースとしても活用できます。
毎日の家事が楽になると、自然と家族の笑顔も増えるような気がしませんか。そんなくらしがしたいと思う人はユーティリティスペースのあるすまいを考えてみてはいかがでしょう。
③アルコーブ(玄関ポーチ)
「アルコーブ」はマンションの広めの玄関ポーチのこと。共用廊下から少し内側に奥まって各住戸の玄関扉が設けられており、その廊下と玄関との間のスペースを指します。玄関が廊下と直接接していないので、外からの視線が遮られてプライバシーを保ちやすいのが特徴。
また、玄関ドアの開閉で廊下の通行を妨げないことや、子どもが急に飛び出して通行人とぶつかることを防止できるのも良い点です。物件によっては簡単な格子の柵がアルコーブの入口に付いている場合もあります。
アルコーブの例(左:パークホームズ夕陽丘(分譲済み)/右:パークホームズ町田(分譲済み))
プライバシーと安全性はどちらも大切なもの。物件探しをする上で、そういった構造のマンションがあることも覚えておくと良いかもしれませんね。
間取りの他にも住宅の専門用語はあります。ここではすまいのかたちを表す「ファサード」「ひな壇」「ピロティ」といった言葉を解説します。これらを理解しておくと、どんなすまいなのかが、具体的にイメージできるようになりますよ。
①ファサード
建物の正面から見た外観のことを「ファサード」と言います。戸建でもマンションでも、その建物を象徴するものなので、重厚感や斬新性、気品を漂わせるなど、さまざまなコンセプトのものがあります。デザインが印象的であれば、帰宅するたびに心が踊るかもしれませんね。
ファサードは建物を印象づける要素。デザイン性を高めて個性を出す場合も(パークホームズ落合南長崎)(分譲済み)
②ひな壇
ひな人形の飾り台のように、階段状になった造成地のことを「ひな壇」と言います。段々に住宅が配置されるので、日当りや風通し、さらに高い場所では眺望も良いというメリットがあります。
ひな壇の例(ファインコート栗平ステーションゲート(分譲済み))
戸建住宅で多く見られますが、マンションでひな壇になっている物件も。風通しや日当りの良さだけでなく、広いテラスが作りやすいなど、特徴的なデザインになる場合があります。
③ピロティ
2階建て以上の建物で、1階の柱で構成された吹き抜けスペースのことをピロティと言います。基本的に壁ではなく柱だけで構成されており、エントランスホールや駐車場としてなど、土地を有効に活用できます。
またピロティがあることで外観もすっきりとしたスタイリッシュな印象の建物になる効果もあります。もともとはフランスで活躍した建築家ル・コルビュジェがパリ郊外に建てた「サヴォア邸」がきっかけとなって広まった建築方式です。そうした背景を知ると、なんだかオシャレな気分になりますね。
ピロティが広まるきっかけとなったと言われる「サヴォア邸」。1階部分の柱で支えられた空間がピロティ(画像素材:PIXTA)
いかがでしたか。今回は住宅業界でよく使われている6つの専門的な言葉をご紹介しました。初めて聞く言葉もあったのではないでしょうか。物件情報を確認するときやマンションのモデルルームに行くときなど、知っておくと役に立つことがあるかもしれません。理想のすまいと出合うには、住宅についてさまざまな知識が必要になります。多くの知識を身につけることで、後悔のない、賢いすまい選びを実現してください。